レゴに学ぶ、クリエイターが育つ環境のつくり方

※ 画像は Chat GPT で作成したレゴのイメージです
大きな衣装ケース2杯分のレゴを整理した。
状態のいいものは知り合いに譲り、傷みや汚れのあるものについては処分した。そんな作業をしながら、動かす手が何度か止まった。この小さなブロック一個一個が、あの頃の子どもたちの頭の中にあったイメージの断片だと思うと、なんとも言えない気持ちになってしまう。
レゴは高い。とくにモーターや歯車が入ったセットは勇気のいる値段だった。それでも買い続けた。今振り返ると、あれは「おもちゃを買った」というより「環境を整えた」という感覚の方が近い。
じゃあ、その環境とはいったい何だったのか。今日はそんなお話です。
廃材で遊ばせていた理由
X(旧Twitter)のアカウントを長くフォローしてくれている人はご存知のとおり、私は「子どもには廃材を使った工作をさせた方がいい」とずっと言い続けている。
廃材とは、ダンボール、空き箱、牛乳パック、トイレットペーパーの芯、ラップの芯…等々、ある日突然学校から「持ってきてください」と言われるあのシリーズだ。それをセロテープやガムテープ、ゴムや針金などを使って組み合わせる遊びを、私は、廃材工作と呼んでいる。
大人の目にはゴミにしか見えない。でも子どもの頭の中では、それは武器だったり、船だったり、ぬいぐるみたちの家になる。これが「見立て遊び」で、幼児教育の世界ではかなり重視されている概念だ。
なぜそんなに重要なのか。
子どもは頭の中に鮮明なイメージを持っている。そのイメージと、目の前にある、ただの廃材を重ね合わせる操作。これが見立てる力の核心で、想像力や柔軟な発想の土台になる、と言われている。
さらに面白いのは、見立て遊びが友達やきょうだいとの “ごっこ遊び” に発展した瞬間に起きることだ。「これは武器なんだよ」「この芯は大砲ね」と、自分の頭の中にある世界観を相手に伝えなければ、ごっこ遊びは成立しない。説明して、調整して、共有する。この過程で、言語運用能力や社会性が育まれていく。
工作そのものも、とても意味のある作業だ。切る、貼る、折る、支える、つなぐ…。こうした手先を使った作業を繰り返すことによって、子どもは世界に働きかける精度を高めていく。そして、五感すべてを使って、素材の性質を体で覚えていく。どういう構造にすれば強くなるのか、どう組み合わせれば倒れないか。そういうことを、頭ではなく指先で学んでいく。
私がずっと廃材工作を勧めてきた理由は、ここにある。
実物そのものではないものに、子どもが自分なりの意味を与えながら作り上げていく。そしてそのプロセスにおいて、様々な成長が促される。市販の完成品のおもちゃで遊ぶこととは体験の質が根本的に違うのだ。
廃材工作には超えられない壁がある
しかし、廃材工作にも限界がある。
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- 入り口は一つじゃない
- 教室に行くことへの、正直な感想
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