親子で考える「好きなことが見つからない」と言われたら?

夏休みで一時帰国中の英国大学生・長男との親子対談シリーズ 第5弾。
( ⇒ 前回の第4回「お勉強」編はこちら )
日本に帰ってきて1ヵ月。バタバタした日々を過ごしている長男と、少し間が空いたところで久々に親子対談をした。テーマは、「『やりたいこと』は、どう見つかるのか」。
留学して増えたもの
—— 妹ちゃんも1週間くらい前に東京に帰ってきたね。今年の春から地方の学校に行って、初めて一時帰宅したタイミング。親から見て、すごい成長を感じるんだよね。中学の頃はどっちかというと家で本を読んでるタイプで、自分から「誰々に会いたい」「どこどこへ行きたい」とか言うキャラじゃなかったのに、今は習い事の先生に会いたいとか、サマーキャンプに自分から行きたいとか言い出してる。
長男:僕も前に同じようなこと言われた気がする。まったく帰国できなかったイギリスの高校2年間が終わって、大学入学前の夏に帰ってきたときに。
—— 財団の方針で2年間は日本に帰ってくるなって言われてたんだよね。あの時も帰ってきたら行動範囲がぐっと広がっていて成長を感じた。
長男:好きなアーティストの個展に行ったりとか、今までしなかったことをするようになったかもしれない。
—— 東京にずっといると気づかないことってあるよね。最近、仕事で会った落語家さんがきっかけで初めて寄席に行ってみたんだけど、すごく良くて。東京にいるからいつでも行けたはずなのに、これまで全然触れてこなかったんだなって気づかされた。
長男:意外と自分の身の回りのことって知らないんだよね。香港の友達の方が自分より日本の観光名所をめぐっていたりする。近くにあると当たり前すぎて見えなくなることってあると思う。
—— 他にも、留学したからこそ発見できたこととか、得られたと感じられるものってある?
長男:一番大きかったのは人脈かな。海外のいろんな国を転々としてきた子とか、インターナショナルスクール出身の子とか、日本にいたら接点がなかったような日本人と知り合えたこと。
留学するわけだから外国人と交流するのは想定できる範囲だった。でも、同じ日本人なのに全然違うバックグラウンドの人がいるって知ったのは新鮮だった。クレヨンしんちゃんやドラえもんを知らない人がいたりして、日本人として常識だと思っていたものも土台からして違うんだなって。
—— 日本の小中高でできた友達とは今も連絡取ってるの?
長男:仲の良い子とは普通に取ってるよ。今は日本にいたときの友達もいるし、イギリスでできた日本人の友達もいる。外国人の友達ももちろんいる。いろんなレイヤーの友達がいて、それぞれと仲良くしてる。
—— 就職は?どうするの?
長男:今のところ日本で就職するのが濃厚。ただ、世界中に知り合いがいるおかげで、将来海外に行きたくなったら取れる選択肢が増える気がする。知り合いが誰もいない土地にいきなり行くのはちょっと怖いけど、誰かいれば安心できるし。

旅行先の図書館にて
自分の中だけを探していても、見つからない
ここからが今日の本題だった。最近、いろんな人と話をするなかで、必ずと言っていいほど聞かれる質問がある。「knockoutさんの3人のお子さんはみんな早くから好きなことを見つけて、その道に進んでいる。でも、そうじゃない子はどうすればいいですか?」というものだ。
—— この質問、毎回浅い答えになっちゃうんだよね。「小さいうちからいろいろ経験させましょう」みたいな(笑)。
長男:個人的にいいと思うのは、サマーキャンプみたいな、全然違うバックグラウンドの人と話せる場に行くこと。さっきの妹の話とか自分の留学もそうだけど、知らない人と会って話すと「そういう見方もあったんだ」って気づく。視野とか選択肢が広がる。
—— でも広がりすぎると余計選べなくなったりしない?