父のこと
母から届いた封筒に入っていたのは、昔の通知表だった。そこに書かれた父のコメントを読んで、ずっと知っていたはずの父の、知らなかった一面に気づいた。
knockout
2026.06.21
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分厚い封筒が届いた。
送り主は母。
「家の中を整理してたら出てきました。あなたに関係するものは送ります」とだけ書かれたメモがあった。最近、母は本腰を入れて終活に取り組んでいる。長い年月をかけて積み上げてきた家の歴史を、少しずつ手放している最中だ。
中を開けると、クリアファイルにまとめられた書類の束が出てきた。小学校から高校までのすべての通知表だった。
***
懐かしいな、と思いながらページをめくっていく。
すると、意外なことに気づいた。成績が、自分の記憶よりずっと普通だったのだ。
「あなたは小さい頃から成績がよかったのよ」と言われて育った。だからどこかで、通知表はつねにオール5に近いものだったはず、と思い込んでいた。ところが実物は、小学校3年生くらいまでは3が中心で、4がちらほら。高学年になるにつれて少しずつ上がってはいくものの、自分が抱いていたイメージとはかなりの開きがある。
苦笑いが出た。
自分には3人の子どもがいる。学期末に持ち帰ってくる通知表を見るたび、心のどこかで「自分が子どもの頃はもっとよかったけどな…」なんて思っていた。いやいや。実際はこっちの方が全然パッとしない成績だったじゃないか。
そんなセルフツッコミをしながら次のページに進むと、さらに意外なことに出くわした。